住宅取得資金の1,000万円贈与は申告が必要です 省エネ住宅の特例で気をつけたい「申告漏れ」と「入居時期」

親から住宅資金をもらったら要注意 1,000万円非課税でも申告が必要です

親や祖父母から、家を買うためのお金を援助してもらうとき、一定の条件を満たせば1,000万円まで贈与税がかからない特例があります。
省エネ住宅を取得する場合は、とても大きなメリットがある制度です。

ただし、「使えばお得」なだけでなく、手続きを間違えると使えなくなるという注意点があります。
とくに気をつけたいのが、申告漏れと入居の時期です。

「税金が0円なら申告しなくていい」は大きな誤解

この制度でよくある勘違いが、
「非課税になるなら、申告しなくても大丈夫ですよね」
というものです。

実際はそうではありません。
この特例は、申告をしてはじめて使える制度です。

たとえば、電車の無料乗車券を持っていても、改札で提示しなければ使えないのと同じです。
条件を満たしていても、申告をしなければ特例は受けられず、通常どおり贈与税がかかるおそれがあります。

「税金がかからないはずだから何もしなくていい」ではなく、「税金がかからないようにするために申告が必要」と、ぜひ覚えておいてください。

入居のタイミングにも注意が必要です

もう一つの落とし穴が、いつまでに住み始めるかという点です。

この特例には期限があり、贈与を受けたあと、一定の時期までにその住宅に入居すること(または入居する見込みがあること)が求められます。
家づくりは予定どおりに進まないことも多く、工事の遅れや引き渡し時期のずれによって、思わぬ形で条件から外れてしまうことがあります。

せっかく資金の援助を受けても、入居が間に合わなかったために特例が使えなくなるのは、とてももったいないことです。
資金を受け取った安心感だけで終わらず、その後のスケジュールまで含めて確認しておきましょう。

2026年は省エネ住宅の条件確認がより重要です

省エネ住宅として認められるための基準も、近年は厳しくなっています。
「新しい家だから大丈夫だろう」という感覚でいると、あとで対象外と判明することがあります。

とくに大事なのは、住宅会社から特例用の証明書をきちんと発行してもらえるかという点です。
見た目がどれだけ新しくても、必要な基準を満たしていることを書類で証明できなければ、この特例は使えません。

制度を使えるかどうかは、家そのものだけでなく、必要書類がそろうかどうかにもかかっているのです。

失敗しないための対策

まず大切なのは、贈与を受けた翌年の申告期限までに、必ず贈与税の申告をすることです。
「今回は非課税だから関係ない」と思わず、最初から申告が必要なものとして準備を進めましょう。

住宅会社やハウスメーカーには、早い段階で次のことを確認しておくと安心です。

・「この住宅は、贈与税の特例の対象になりますか?」
・「特例に必要な証明書は発行できますか?」

この確認を早めに済ませておくことで、あとから慌てるリスクを減らせます。

まとめ

住宅取得資金の贈与の特例は、とてもありがたい制度です。

ただし、次の3つの点は、しっかり押さえておく必要があります。

・申告をしないと、特例は使えない
・入居の時期に条件がある
・省エネ住宅の性能基準と証明書が必要

この制度は、「条件を満たせば自動で使える制度」ではなく、「期限までに正しく手続きして、必要書類をそろえてはじめて使える制度」です。

家の購入や新築は決めることが多く、税金の手続きは後回しになりがちです。
だからこそ、早めに住宅会社と税務の確認を進めておくことが、結果として一番の安心につながります。